「約束の時間に遅刻してしまう」といったシチュエーションのみならず、相手を待たせてしまう場合は、できるだけ早く連絡(電話やメール)を入れて事情を告げることが大事です。
そこで今回は、ビジネスシーンでありがちな2つのシチュエーションで「当たり障りなく遅れを伝える(お願いする)フレーズ」を紹介します。
Situation1 約束の時間に遅れそう...
約束した時間への「遅れ」に対する表現は、待たせる相手と状況によって3つの単語を使い分けます。
late:相手を限定せず、幅広く使える最もポピュラーな表現です
delay:交通機関のトラブルなどが原因で遅れてしまう場合に用いる表現です
tardiness:クライアントへの状況説明など、かしこまった場面で用いる表現です
I'm sorry, but I'm going to be about 5minutes late for my appointment.
申し訳ありませんが、アポイントの時間に5分ほど遅れてしまいそうです。
※5minutesの前にaboutをつけることで「約5分(5分ほど)」となります。
I'm sorry. The train is delayed so I'll be about 10 minutes late.
すみません。電車が遅れているので、10分ほど遅れそうです。
We are delayed due to traffic congestion on the road.
Please wait a little longer.
道が渋滞していて遅れています。もうしばらくお待ちください。
※a little longer=もう少し:「もう少し」の表現は、a little longer(時間)、a little more(サイズや量)などに使い分けます。
I apologize, for my tardiness. Thank you for your patience.
遅れましたことを心よりお詫びいたします。ご迷惑をおかけしました。
※Thank you for your patience.は直訳すると「お待ちいただきありがとうございました」ですが、このようなお詫びの文脈では感謝の気持ちが強調されるのではなく、「ご迷惑をおかけしました」というニュアンスで伝わります。
POINTI'm sorry,とI apologize,の違い
お詫びの気持ちを示す場合、比較的軽いミスに対して詫びるときはsorry、さらにお詫びの気持ちを強調したい場合はapologizeと使い分けることをお勧めします。I'm sorryが「すみません」や「ごめんなさい」と言ったニュアンスで解釈される一方で、I apologizeは「お詫びします」や「申し訳ございません」と、かしこまったニュアンスが含まれます。それゆえに、謝罪に対する誠実さが感じられます。
Situation2 納期を延ばしてもらいたい...
レポートの提出や仕事の納期の延長をお願いする際には、できるだけ早くに連絡をして遅れる理由を明確にすることが鉄則です。この場面でも相手の理解を求めるとともに、自分のほうから納品できる新たな期日を提案することが重要です。ここでは嘆願メールの実際例を紹介します。
I'm contacting you to ask for an extension of the deadline for the tour program.
Plans for a to see the Los Angeles Dodgers are taking longer than expected but should be finished by the end of this week.
It will be a little late, but the program will be better.
Therefore, we would like to ask that the deadline of February 3 (Monday) be extended to February 7 (Friday).
I apologize for the delay, and thank you for your understanding in this matter.
ツアープログラム提出の締め切り延長をお願いしたく、ご連絡差し上げました。
ドジャースの観戦計画が予想以上に時間がかかっていますが、今週中には終わる予定です。
少々遅れることになりますが、プログラムはより良いものに仕上げます。
つきましては、2月3日(月)の締め切りを2月7日(金)に延長していただきたくお願い申し上げます。ご迷惑をおかけすることをお詫びするとともに、なにとぞご理解いただけますようお願いいたします。
Plans for a to see the Los Angeles Dodgers are taking longer than expected but should be finished by the end of this week.
It will be a little late, but the program will be better.
Therefore, we would like to ask that the deadline of February 3 (Monday) be extended to February 7 (Friday).
I apologize for the delay, and thank you for your understanding in this matter.
ツアープログラム提出の締め切り延長をお願いしたく、ご連絡差し上げました。
ドジャースの観戦計画が予想以上に時間がかかっていますが、今週中には終わる予定です。
少々遅れることになりますが、プログラムはより良いものに仕上げます。
つきましては、2月3日(月)の締め切りを2月7日(金)に延長していただきたくお願い申し上げます。ご迷惑をおかけすることをお詫びするとともに、なにとぞご理解いただけますようお願いいたします。
※extension of the deadline=納期の延長
※thank you for your understanding in this matter. は直訳すると「この件に関してご理解いただきありがとうございます」ですが、前出したThank you for your patience.と同様、文脈により、「ご理解ください」といったニュアンスで伝わります。
POINTIt will be a little late, but the program will be better.
ここが大事なポイントです。納期を伸ばしてほしいという嘆願メールですが、嘆願やお詫びだけで終わらせずに、「時間をもらうのだから、もっといいものに仕上げる」とポジティブな表現を交えるところが、交渉社会アメリカならではのビジネスメールの特長です。
基本的に、相手を待たせることはビジネスにネガティブな状況をつくりだしますが、以上のフレーズを上手く使い分けることで、誠実さとプロフェッショナルな姿勢を示すことができます。ネガティブな状況のときほど言葉の選び方に慎重になって事なきを得る。ぜひ参考にしてください。