前置きするのが礼儀です。これは海外のビジネスシーンでも同じような言い回しがあります。
海外赴任をしたばかりのビジネスパーソンの中には、話の糸口をつかむためにExcuse meを多用する方がいますが、これはあまり好ましくありません。
基本的にExcuse meは"軽度の謝意"を示す言葉。ビジネスシーンに限って言えば、相手の話を途中で
遮ったり、急いでいる同僚を呼び止めたりする場合に使うのが妥当と考えられます。
そこで今回は、相手の都合を確認して、話の糸口をつかむフレーズをご紹介します。
忙しそうにしている相手に話しかける場合は、相手の職位や、引き止める時間の長さ(内容の重要度)に
よって言い回しを変えるようにしたいものです。
たとえばあなたが、取引先からの提案に対して、A案かB案かに決めかねていたとしましょう。
そこで同僚の意見を少しだけ聞いてみたい。そんなときは次のように切り出すと良いでしょう。
Do you have a moment ? / Do you have a minute ?(ちょっといいかな?)
それぞれの単語を直訳すれば、momentは「瞬間」、minuteは「分」ですので、文字通りに考えればmomentの方が短いように思えます。しかし実際にはほぼ意味合いは変わらず、感覚的には、数十秒から2、3分くらいで解決できるような
話題の場合は、これらのフレーズを使うことが一般的と言えるでしょう。
一方、致命的なミスが発覚して、上司に報告しなければならなくなったとしましょう。
事後対策も含めて話が込み入ったものになるのは必然です。
そのような場合は次のように切り出したいものです。
Do you have time now ?(今、よろしいでしょうか?)
こう切り出されれば、上司の方でも「これは込み入った話だな」と察するはずです。会議室に場所を移して話したい内容の場合には、こちらのフレーズが妥当と言えるでしょう。
急を要する内容であることを強調するために、ここではあえて最後にnowをつけていますが、
省略してDo you have time ?も同じような意味で伝わります。
ただその場合、1つ気をつけたいのは、次のような言い間違えです。
Do you have the time ?(今、何時ですか?)
timeの前にtheを入れてしまうと、中学生で習ったWhat time is it now ?と同じ意味になります。かしこまった表情で、時間を尋ねるあなたを見て、上司は「???......」ということになってしまいます。
Attention!
構文の基本骨格は、Do you have ...?(ありますか?)の後に、moment(瞬間)/minute(分)、time(時間)を置き換えて表現するだけです。たったそれだけでも、相手は話しを聞く心構えも態度も変わります。ぜひとも覚えて使い分けたい、ビジネス英会話の定番フレーズです。