したがって、気が進まなかったり、体調が優れなかったり、やむを得ない事情がある場合は遠慮なく断るべきです。ただ、相手や状況によって"断り方"を変えることは必要。そこで今回は、『食事に誘われたとき』というシチュエーションで、同僚と上司、それぞれへの「断わり表現」を紹介します。
同僚からの誘いを断る
アメリカでは、同僚と「帰りにちょっとビールでも」ということがほとんどありません。ただ、週末に人を招いて食事をする習慣があって、英語で世間話ができない日本人は、それをストレスに感じる人が少なくありません。こうした食事会は大袈裟なものではないので、無理に都合を合わせる必要はありません。気が進まないときは深く考えずに断っていいでしょう。
Sorry, I can't make it on the weekends.
申し訳ないけど、週末は都合が悪いんだ。
相手が同僚であれば、この表現が最も妥当です。申し訳ないけど、週末は都合が悪いんだ。
一般的にcan't make itは「~することはできない」と訳されますが、
この場合は相手のほうが「ああ、都合が悪いんだな」と察してくれるはずです。
Sorry, I can't go on the weekends.
申し訳ないけど、週末は行けないんだ。
can't make itの代わりに can't goを使えば、申し訳ないけど、週末は行けないんだ。
より「行けない」ニュアンスを強調する表現になります。
関係性が深くなれば、こちらのほうがストレートで良いかもしれません。
もう少し相手に気を遣うなら、「理由」を明確にするとよいでしょう。
Sorry, I can't make it. I'm going to see a movie.
申し訳ないけれどお邪魔できないんだ。映画を観に行くので。
Point① 申し訳ないけれどお邪魔できないんだ。映画を観に行くので。
せっかくの誘いを断るのなら、理由をはっきりしたほうが相手に対して失礼にならない。しごく真っ当な考え方ですが、日本人よりドライな欧米人に対しては、「わざわざ理由まで話さなくていい」というのが個人的な見解です。理由が何であれ、誘いを断られた時点で相手の関心はその話題から逸れてしまいます。
上司からの誘いを断る
職場の上司やクライアントからの誘いを断る場合は、「行きたいのはやまやまですが...」といったニュアンスを強調しつつ、遠回しに「行けない」ことが伝わるような表現が必要です。このあたりの気遣いは、欧米も日本もあまり変わりありません。また、先のPOINTでも記しましたが、たとえ上司であっても"理由"については触れなくて良いというのが持論です。
I'm afraid I can't make it today.
残念ですが、今日は都合が悪いんです。
これもI can't make itを応用して相手に察してもらうシンプルで的確な表現です。残念ですが、今日は都合が悪いんです。
I'm afraidは、申し訳ない気持ちを表す定番ワードです。
I'm afraid I already have an appointment.
残念ですが、すでに約束がありまして。
この表現も非常によく使われます。残念ですが、すでに約束がありまして。
ただ、I'm afraidとは言っているものの、些か拒絶感が強い表現ですので、
相手との関係性や距離感をよく考えて使うべきでしょう。
I'm sorry. I'm busy today.
すみません。今日は忙しいので。
赴任してきたばかりの日本人が使いがちな"NG表現"です。すみません。今日は忙しいので。
誘ってくれた上司にI'm busyと返すこと自体かなり失礼なことです。
Point②
今回は『食事に誘われたとき』という場面想定でしたが、誘いを断る表現としてはどのような場面にでも応用できます。また、繰り返し「理由の説明は不必要」と記した訳は、英語のボキャブラリーが少ないうちは、最短距離で、尚かつ、正確に意図を伝えることが大事だからです。私自身、丁寧に言おうとして会話が破綻してしまったことが何度もあります。シンプルであればあるほど会話の綻びは少なくなります。