「ネイティブはそんなふうに言わない」
という表現を日本人は結構使っています。
それでも日常会話なら、相手(ネイティブ)の方が
意図を汲み取って好意的に理解してくれます。
しかしビジネスシーンで不適切な英語を使っていると、
相手に不信感を与えたり、不愉快な気持ちにさせたり、
軽く見られることにもなりかねません。
そこで今回は、日本人が特に使いがちな
"要注意のNGフレーズ"を3つ紹介します。
①I don't know.
聞かれたことに対して答えを持ち合わせていない場合はI don't know.と答える。学校では確かにそう教わりましたが、ビジネスシーンでは代表的なNGフレーズと言ってよいでしょう。「分からない」ということは相手に伝わりますが、言い方次第ではかなり失礼な印象を与えます。
営業に出ようとしている部下と上司の会話を例に説明すると...
What time do you think you'll be back?(何時ごろに帰社できそうかな?)
I don't know.(分かるわけないじゃん!)
決して大袈裟ではなく、イントネーション次第ではこのくらいのニュアンスに解釈されてしまいます。I don't know.(分かるわけないじゃん!)
ビジネスシーンや目上の人との会話でI don't know.は"禁句"と考えてよいでしょう。
予定がはっきりしなかったり、確信が持てない場合はこのフレーズが適切です...
I'm not sure.(ちょっと分かりません。)
本来Sureは意見を快諾して「分かりました」と返答する時に使いますが、否定形にすることで「確信が持てない=分からない」という意味になります。②Do you understand?
こう問いかけられたネイティブは「ねぇ、言ってること分かってるの?」と言われたように感じるはずです。これは、いたずらをした子どもに母親が「自分が何をしたか分かってるの!」と叱るようなときに使うフレーズで、高圧的なニュアンスが含まれるためビジネスシーンには相応しくないNGフレーズです。
話の途中でさりげなく相手の様子を確認したい場合は...
Does it make sense?(私の言っていることは伝わっていますか?)
日本のビジネスシーン的に意訳するなら、「ここまではいいでしょうか?」という表現がピッタリです。※make sense=意味を成す、筋が通っている、納得出来る
make senseとunderstandは"物事を理解する"という点では似た意味ですが、決定的な違いは、make senseは自分が言ったことへの理解の確認であるのに対して、understandは人の気持ちや自分が置かれた状況などへの理解を示す場合に使う言葉であることです。
③What time is it now?
これも中学生で習う初歩的なフレーズです。そしてほとんどの方が、海外で時間を聞く時は使っているのではないでしょうか。しかしWhat time is it now?では、「今何時ですか? 今?」というおかしなニュアンスになっていて、聞かれた方は戸惑っていたはずです。
顔見知りに時間を聞く場合は...
What time is it ?(今何時ですか?)
最後のnowは不要です。ではなぜ、昔の教科書にはnowが付いていたのか。これには諸説あるようですが、個人的には「今何時ですか?」と尋ねる時の"今"を、実直に"now"と訳して教科書に載せていたため、という説がいかにも日本らしくて有力な理由に思えます。
(※現在は小学4年生の外国語活動の授業でWhat time is it ?と習います)
見知らぬ人に時間を聞く場合は...
Do you have the time?(時間を教えていただけませんか?)
What time is it ?よりも丁寧な印象を与えるフレーズです。勘違いしやすいポイントは、 冠詞のthe を省いてDo you have time?になると(お時間がありますか?)と全く違う意味に変わるので気をつけましょう。
ビジネスシーンでより丁寧に聞く場合は...
Excuse me, Do you have the time? (すみません、時間を教えていただけませんか?)
このフレーズに限らず、他人に何かをお願いする時は、頭にExcuse me,を付ければ大抵はより丁寧な印象を与えます。Excuse me, What time is it ?でも遜色なくビジネスシーンで使うことが出来ます。