ただイディオムは、単語本来の意味通りに直訳しても理解できないため、それぞれのパターンで暗記するしかありません。そこで今回は、とくにビジネスシーンで使われやすいイディオムを紹介します。
① In a nutshell(ひと言で言えば)
In a nutshell, Japanese are hard workers.
ひと言で言うと、日本人は努力家なんです。
nutshellを直訳すると「木の実の殻」という意味です。In a nutshell, Japanese are hard workers.
ひと言で言うと、日本人は努力家なんです。
つまり「木の実の殻に入るほど小さく言うと」というニュアンスから、物事をコンパクトに伝える場合に用いられます。結論から伝えることが多いビジネス英語では、とても使い勝手の良い便利なフレーズです。
② Ballpark figure(概算)
Please give me a ballpark figure.
概算でいいので見積をください。
シリーズ#9同様に「野球由来のイディオム」です。ballparkは文字通り「野球場」、figureは「数字」を意味します。Please give me a ballpark figure.
概算でいいので見積をください。
ではなぜ、ballparkが「概算」となるのか......全てが大規模のアメリカの野球場に例えて「大雑把でいいから値段を知りたい」という時に用いられるアメリカらしいイディオムです。
③ touch base(後で連絡する)
I'm busy right now, I'll touch base later.
今はバタバタしているので、後で連絡しますね。
文字通りに考えれば日本語には訳しようがないtouch baseも、英語のイディオムでは「連絡をする」と解釈します。
laterの代わりに、tomorrowなど、連絡するタイミングを入れ替えて使うこともできます。I'm busy right now, I'll touch base later.
今はバタバタしているので、後で連絡しますね。
ただし「後電話をする」と明言する場合はcall you laterが相応しいでしょう。
④ take it with a pinch of salt(話半分に聞く)
I'll take it with a pinch of salt.
話半分で聞いておきますね。
take it with a pinch of saltを直訳すると「塩をひとつまみ加えて食べる」という意味になります。I'll take it with a pinch of salt.
話半分で聞いておきますね。
つまり、話の中身が「味気のない=大して内容がない」あるいは「誇張されてる」場合に、若干の皮肉を込めて「話半分で聞く」という意味で使われます。
「この企画ならイメージ戦略も収益も一石二鳥だと思っていたんだけど、先方が頭の固い人でなかなか腹を割った話ができないんだよ...」
こういった慣用句だらけの会話は外国人は理解できません。同じように、ある程度英語に自信がある方でも、会話にイディオムを挟まれると「何のこっちゃ?」となることがあります。しかも厄介なことに、基本的な単語ですらイディオムの知識がなければまるで理解できないということにもなり兼ねません。ビジネスで使える英語を身に付けようと思うなら、より多くのイディオムをストックしておくことが大切です。