リアル・ビジネス英会話 #24

Realize/Notice  英単語の使い分け

見ると観る。どちらも「みる」と読みますが、
「みる場面」によって使う漢字が異なります。
一般的には、無意識にぼんやりみる時は「見る」、
明確な意図を持ってみる場合は「観る」と表現します。

同じように英語でも、車窓の景色をぼんやりみる場合は「See」、
上司の顔色を伺うような時は「Look」、
テレビなどを鑑賞する時は「Watch」といったように、
同じような意味合いでも、場面によって表現の仕方が異なる言葉があります。

そこで今回は、状況に応じて適切な使い分けが求められる
2つのパターンを紹介します。


パターン1 Realize/Notice
両方とも「気づく」を意味する言葉ですが、英語の場合は「どのように気づいたか」によって、使う言葉が変わります。どちらを使っても何となく意味は通じますが、ビジネス上の会話ではきちんと使い分けるほうがbetter。ニュアンスの違いと使い分け方を、例文を交えながら紹介します。

Realizeのニュアンスと使い方
Realizeは、じっくり考えた結果、何かに気づいたときや、不確かだったことが明らかになったときの「気づき」を表す言葉です。「自覚する、実感する、思い知る」くらいのニュアンスで捉えても良いでしょう。
また、Realizeには「実現する」という意味もあり、こちらの意味で使うケースも少なくありません。
I realized that I left my cell phone at home.
家にスマートフォンを置き忘れてきたことに気づきました。
※cell phone:欧米でsmart phoneは一般的な表現ではありません。
I didn't realize that preparing a presentation would be so difficult.
プレゼンテーションの準備がこんなに大変だとは思いませんでした。
Shohei Ohtani realized his dream of playing in the major leagues.
大谷翔平はメジャーリーグで活躍する夢を実現しました。

Noticeのニュアンスと使い方
Realizeのようにじっくり考えた末の気づきではなく「見る、聞く、味わう」など五感のファクターを通じて感覚的・偶然的にもたらされる「気づき」を表す言葉です。また、Noticeを名詞として使うと「予告、警告、通知、掲示」といった意味に解釈されます。
I just noticed that the expiration date is today.
賞味期限が今日までだったことに気付きました。
Please inform the station staff if you notice any suspicious unclaimed objects.
不審物を発見した場合は駅員にお知らせください。
※アメリカでも日本でも、空港や駅など人が集まる場所には同様のメッセージが掲げられています。
Product prices are subject to change without notice.
商品の価格は予告なしに変更されることがあります。
※be subject to(~の対象になる・~に従う)はビジネスシーンで頻出する表現です。


パターン2 Claim/Complain
日本ではクレームという言葉を「苦情」という意味で使っています。しかしネイティブとの会話では通用しません。日本で言う「クレーム」と、英語の 「Claim」 とでは意味が異なります。英語で「苦情」を意味する表現はComplain。どちらも頻出単語ですが多くの日本人が勘違いしている言葉です。

Claimのニュアンスと使い方
Claim は、自分の権利や自論を「主張する、要求する」場合に使われる言葉で、「確証がなくても言い張る」というニュアンスを含んでいます。権利を主張する時は強い口調になります。こうしたことから日本では、「叫ぶ」が原義であるClaimが「苦情」という表現に置き換えられたと考えらます。
He claims he is not responsible.
彼は自分には責任がないと言い張っている。
New York newspaper claims Aaron Judge is MVP.
ニューヨークの新聞は、アーロン・ジャッジがMVPだと主張している。
※ニューヨーク「ニュースデイ紙」のエリック・ボーランド記者の主張。
I had an accident and filed a claim with the insurance company.
事故に遭ったので保険会社に請求した。

Complainのニュアンスと使い方
苦情を意味する表現は complainが適切です。動詞として使用される場合は「不満を言う、愚痴を言う、文句を言う、泣きごとを言う」などのほか「病状を訴える」といった意味でも使われます。また、単に「苦情」と言う場合は名詞のcomplaintとなります 。
Part of my job is receive customer complaints.
お客さまの苦情を聞くのも仕事のうちです。
※頻出表現!Part of my job=仕事のうち/receive a complaint=苦情を受ける
My wife is always complaining.
妻は不平ばかり言っている。
Can't complain.
まあまあだね。
※直訳すると「不満を言うほどじゃない」ということで、「まあまあだね」という意味に置き換えられます。
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■記事公開日:2022/09/08
▼構成=編集部:吉村高廣 ▼協力=K・Wakamatsu(大手旅行会社海外支店勤務歴) ▼写真=AdobeStock

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