「休みをとるのは働き手の権利」といった考えが根付く諸国とでは、
「休暇」に対する価値観やその使い方に随分と違いがあるようです。
とはいえ、「権利大国」と言われるアメリカでも仕事を休むためには
理由を明確にしなくてはなりませんし、
時と場合によっては交渉が必要になることもあります。
そこで今回紹介するのは、アメリカのビジネスシーンで使われる「休暇願い」の表現です。
英語には期間や目的に応じてさまざまな「休み」の表現があります。
ここでは、ビジネスシーンにおいて最も一般的な「take a day off」の展開例を紹介します。
■1日休みをもらいたい
May I take a day off tomorrow?
明日、休みをいただいてよろしいですか?
この文脈が基本形になります。明日、休みをいただいてよろしいですか?
ビジネスシーンでは、これに、「なぜ休むのか」「何日休みたいか」を加えます。
また、休暇願いは「上司に願い出る」というスタンスですので、「Can I get~」ではなく、フォーマルな「May I take~」が相応しい表現となります。
May I take a day off tomorrow as I will be vaccinated?
ワクチン接種を受けるので、(明日)休みをいただいてよろしいですか?
※I will be vaccinated:ワクチン接種を受けるワクチン接種を受けるので、(明日)休みをいただいてよろしいですか?
May I take a day off on March 10th as I will be vaccinated?
ワクチン接種を受けるので、(3月10日)休みをいただいてよろしいですか?
ワクチン接種を受けるので、(3月10日)休みをいただいてよろしいですか?
■2日以上休みをもらいたい場合
I'm worried about the side effects of the vaccine.
May I take two days off from tomorrow?
ワクチンの副作用が心配です。
明日から2日間休みをいただいてよろしいでしょうか?
2日以上の場合は、「days」を用います。May I take two days off from tomorrow?
ワクチンの副作用が心配です。
明日から2日間休みをいただいてよろしいでしょうか?
※worried about side effects :副作用が心配
■代休をもらいたい
May I take a compensatory day off on Friday?
金曜日に代休を取らせていただけますか?
compensatoryは「代償」と訳されます。金曜日に代休を取らせていただけますか?
したがって、a compensatory day off は、「休日出勤の代償」=「代休」と解釈します。
代休の場合は、基本的に休む理由を述べる必要はありません。
■半休をもらいたい
I'm sick today, may I take a half-day off in the morning?
体調が優れないので、午前中休ませていただけませんか?
※half-day off in the morning:午前中休み体調が優れないので、午前中休ませていただけませんか?
■take a day off以外のケース
How many days can I get a summer vacation?
夏休暇は(何日)いただけますか?
夏期休暇のように、全社員が平等であるべき権利の場合はcan I getで問題ありません。
夏休暇は(何日)いただけますか?
Point
アメリカ社会では、休みは権利であって、誰もがそれを謳歌している、と考えている方が多いと思います。しかしそれは誤解です。確かに、新進のIT企業や高所得者の場合はきちんと有給休暇が与えられますが、リーマンショック以降、一般的なビジネスパーソンについては有給休暇どころか、「少々体調が優れない程度で休んでいる余裕はない」というのが実情です。加えて現在は、コロナ不況のあおりを受けて、そうした状況はますます過酷なものとなっています。したがって、本文で挙げた「I'm sick today, may I take a half-day off in the morning?」が通用するのは、日系企業くらいのものと言えるでしょう。