今年も『サマージャンボ宝くじ』の販売が7月4日から全国で始まりました。サマージャンボは1等5億円が24本、前後賞1億円が48本で、上手く買い揃えれば7億円が当たります。「当たります」とは言っても、その確率は1等が1/1000万、前後賞は2/1000万と天文学的な確率。それでもやはり?誰もが億万長者になれるチャンス?に夢を託す方は少なくありません。
宝くじは、みずほ銀行の営利事業と勘違いされている方がいらっしゃいますが、くじの正式名称が『全国自治宝くじ』である通り、発行元は都道府県の地方自治体。懐事情が芳しくない自治体にとって、宝くじの売上は歳入を確保する貴重な財源になっています。
宝くじの公式サイトによれば、2020年度の宝くじの販売実績額はなんと8133億円!そのうち、販売にかかる経費(みずほ銀行の事務手数料)や広告費を除いて、当選者に支払われた当選金の合計が3758億円、さらに3048億円が全国の区市町村に分配されて公共事業に充てられたということです。
つまり、宝くじ事業はプライム上場企業に匹敵するスケールのビジネス(公営ギャンブル)であり、宝くじを買うことは"夢を買う"だけではなく"社会にも貢献をしている"という大義名分も立つのです。
そんな宝くじですが、売上は2005年度の1兆1047億円をピークに下がり続けています。その理由は若者の宝くじ離れです。
昨年末、人気YouTuberが「1000万円分の年末ジャンボを買ってみた」といった動画を配信したものの、回収できたのは4割にも満たずに大損失。動画を観たファンからは「これだけ買っても当たらないなんて...」と、驚きの声が数多く寄せられていました。
それでも今年のサマージャンボ販売初日には、宝くじの当選者数が日本一と言われる西銀座チャンスセンターの前には、億万長者を夢見る方々が長い行列をつくっていました。ただそこに若者の姿はほとんど見受けられず、並んでいるのは中高年ばかり。高齢化の波は宝くじ売り場にも押し寄せているようです。
■記事公開日:2023/07/26
▼構成=編集部 ▼文・写真=吉村高廣