程良い緊張感がないと力は発揮できない
大切なプレゼンテーションが緊張してボロボロの内容だった。誰にでも経験があることだと思います。中には「準備さえしていれば大丈夫」という人もいますが、むしろ、しっかり準備してきたからこそ「隙のないプレゼンをしなければ」と考えて、却って緊張してしまう人の方が多いように思います。
コロナ禍で働き過ぎの人が増えた結果...
仕事をする場合はある程度の緊張感は必要ですが、ずっと緊張状態が続けばメンタルにかかる負荷はキャパシティを越えて、心身にさまざまな不具合が現れます。その状態が「過緊張」です。過緊張の人は、ONとOFFの切り替えが上手くできずに、四六時中仕事のことが頭から離れません。結果、時間を気にせずいつまでもパソコンの前に座って仕事をしています。東京都産業労働局の「多様な働き方に関する実態調査(テレワーク)」によると、在宅テレワーク経験者が感じているデメリットは、「社内コミュニケーションに支障がある」と「長時間労働になりやすい」が上位に並びます。
過緊張はコロナ以前から問題視されていたことで、仕事が忙しくて負荷が多い、責任が重い、或いは、締め切りがあるなど、常に仕事に追われている人の中には、「土日は休みだけれど仕事のことが気になって気が休まらない」、「休み方が分からない」という人が少なくありませんでした。それがコロナ禍の環境変化が追い風となり、過緊張になる人が急増しています。
心当たりは?過緊張のチェックポイント
日常生活の中で「あれ、鍵締めたっけ?」といった些細な不安や、今まで気にならなかったことでイライラすることが増え始めた人は"過緊張予備軍"と言えます。また、「今日の仕事は終了!」と、一旦はパソコンから離れたのに、なんとなくメールが気になって寝る間際にパソコンを立ち上げてしまう。これを頻繁にするようになった人は、既に過緊張の領域に入っていると考えていいでしょう。何より分かりやすい判断基準が睡眠についてです。過緊張の人のほとんどは、寝つきが悪い、眠りが浅い、何度も目が覚めるといったことを訴えます。眠りが浅いがゆえに"ストーリー性のある夢を見る"という人もいます。
寝汗をかいて目覚めると脳は緊張する
よく言われる過緊張の予防策に、「3つのR(Relaxation、Rest、Recreation)」があります。早い話、「心身ともに休む時間が大事ですよ」ということです。ただ「休む」と言っても、ゴロゴロしているのではなくポジティブな「rest」です。今の時期なら一人でできることに限られますが、楽器の練習に打ち込んだり、最近流行りのシェア畑で汗を流したりするのもいいでしょう。つまり、仕事から完全に離れる時間を確保すること、強制的にでもONとOFFを切り替えて、生活に緩急をつけることが大事です。
また、脳の休息も必要です。そのためには上質な睡眠が欠かせません。とはいえ今年の夏は、例年以上に猛暑日が多いと予想されており、その分だけ寝苦しい熱帯夜を覚悟しなくてはなりません。そこで考慮したいのがエアコンの使い方です。熱帯夜は、どのタイミングでエアコンを切るかで睡眠の質が変わります。