「SEO×プロモーション」や「SEO×コンテンツマーケティング」などを組み合わせて多くの企業のWeb集客に貢献し、幅広い分野で急成長を遂げてきた株式会社バズったー。緻密なマーケティングと柔軟な発想が強みのSEO対策のフロントランナーが、コロナ禍を機に事業の多角化に着手。SDGs時代に相応しく、人と環境にやさしい企業を目指してブランド品のリユース事業を立ち上げたことが話題になりました。今回訪ねたのは2019年に移転したインターネット事業部の新オフィス。「バズったー」という社名に相応しく、前衛的でインパクトの強いオフィスを、Webディレクター森山良太さんにご案内いただきました。
企業ビジョンを視覚化したアートウォール
オフィスの広さは約65坪。エントランスからフリースペース&執務エリアへと続く約6mの壁にはアートウォールを取り入れています。これは「バズったー」という特徴的な社名に負けないように、エントランスに足を踏み入れた瞬間の視覚効果を狙ったものだそうです。
白と黒だけで描かれたストリート感覚のアートウォールは、単にインパクトを与えるだけではなく、バズったーの企業理念を伝えることも念頭に置いています。
真正面から目を凝らして見ると「BUZZTTER」の文字を大小多くの渦で取り囲んでいるのが浮き彫りになります。これは「バズが広がる様子」を表現しているのだそうで、特徴的な壁の形(波状)と相まって、大迫力のアートウォールに仕上がっています。アートによって企業のビジョンを視覚化したことで、来訪者に企業メッセージを伝えることができ、さらには、バスったー自体をバズらせる(話題になる)装置にもなっています。
また、企業のエントランスには、担当者にコンタクトする内線電話が設けられているのが一般的ですが、バズったーのオフィスにはそれがありません。こちらのオフィスでは、担当者の呼び出しはアートウォールに設置されたタッチパネルでおこなうそう。インターネット企業ならではの小さな初体験に「なるほどねぇ」と感心しきりの取材陣なのでした。
高いビジネス効果を発揮するミーティングルーム
ミーティングルームと外のエントランスは、素通しのガラスで仕切ることで開放感を演出。来訪者の目線を意識して、どの位置からでもアートウォールが楽しめる空間を実現しています。
裏を返せば、壁で仕切られた一般的なミーティングルームとは異なり、エントランスからも室内が丸見えで「落ち着いて話ができないのでは?」と思いきや、取材中、そうした感覚は皆無でした。むしろ、商談をする場合などでも、初めて来訪されたお客さまとは、まず、このアートウォールの話題で盛り上がり、歩み寄りの時間を大幅に短縮できるビジネス効果もあるそうです。
また、これまで取材してきた企業がホワイトボードの利便性を強調していたように、バズったーでも、ミーティングルームにはスペースを取らない壁掛けタイプのホワイトボードを採用していました。森山さんいわく、最先端のデジタル技術で企業をサポートする仕事でも、発想を具現化してゆく過程においては"アナログなツール"の方が便利だそうです。
休憩と執務の間にも物理的な壁をつくらないレイアウト
エントランスを抜けると、食事をしたり、お茶を飲みながら歓談をして気分転換を図るフリースペース、そしてインターネット事業部の執務エリアが開けています。
取材に伺った日は間もなくクリスマスシーズン突入とあり、部屋の中央には大人の背丈を超えるツリーが鎮座し、クリスマスソングのBGMが流れるなど、会社の自由度を表す演出が施されていました。
開放感や風通しの良さは、このエリアにも工夫が施されていました。フリースペースと隣り合う執務エリアの境には目隠しになるような仕切りを設けず、フリースペースは床パネル、執務エリアはカーペットと異なる床材を配することでスペースをすみ分け、全体が見通せる空間構成を実現。床材を変えるだけで、趣きや目的が違う2つのエリアが違和感なく共存したレイアウトは、オフィスの広さを問わず参考にできるヒューマンライクなアイディアではないでしょうか。
バズったーはインターネット関連企業には珍しく、フリーアドレスを採用しておらず、スタッフは執務エリアに設けられた固定席で仕事をしています。したがって、バーカウンターにPCを移動して仕事をするようなことも基本的にはないそうです。この背景には、仕事をする時間と息抜きをする時間を物理的に分け、集中して仕事をし、休む時はしっかり休む。ただそこには壁をつくらない。という企業としての仕事に対するポリシーのようなものがあるように感じられました。
更なる成長の鍵となるリユース事業(3階テレアポルーム)
昨年、同ビル3階にリユース事業部のテレアポルームを増床し、未使用になったブランド品を無料査定&高価買取する「とらのこ」をスタートしました。
「とらのこ」では、バッグ・時計・財布・ジュエリー・衣類など、さまざまなブランド品を取り扱っており、海外への販売網も確立。国内の人気アイテムのみならず世界各地での需要も把握していることから、幅広いブランドアイテムを高く買取ることができるそうです。これまで、バズったーが事業の核としてきたインターネット事業に加え、リユース事業をもう1つの柱として育ててゆくことが今後の経営課題であり、コロナ禍をチャンスに変えて、ひと回り大きく成長する鍵になりそうです。
オンラインが普及しても、人と人がつながる空間は必要です。
株式会社バズったー Webディレクター森山良太さん
リモートでは本質的な相互理解ができない
これまで弊社の事業ドメインは1つ。いわゆるコンテンツマーケティングを通して、お客さまの事業をバスらせて利益向上に貢献しようというものでした。それを象徴的に表現したのが、「株式会社バズったー」という社名です。名刺交換などをした際に、一瞬戸惑われる方もいらっしゃいますが、多くの場合はインパクトを持って覚えていただけます。
一昨年コロナが流行りだしたときに、「リモートで仕事ができるのならオフィスは不要ではないか」というオフィス不要論が盛り上がりましたが、情報やアイディアを共有するためにはオフィスワークの方が効果的だと思います。
リモートワークは弊社でも導入しており、移動にかかる時間を削減することができるなど、作業効率向上のメリットもあると思います。ただ一方で、社内や外部とのコミュニケーションが必要最低限になってしまい、本質的な部分での相互理解は低くなっていたと思います。
弊社のリモートワークは強制ではなく選択制をとっていた時期がありますが、私はオフィスワークを選択していました。直接人と関わりながら仕事をしたい気持ちが強かったからです。どれだけオンラインが普及して便利になっても、人と人が最終的につながる空間は必要です。今は何でもデジタル化できる時代ですが、個人的にはオフラインのオフィスワークが好きなので自宅から1時間ほどかけて毎日電車通勤していました。
コロナ禍で具現化させたリユース事業
これまで弊社は、SEO対策やWeb集客のお手伝いを事業の柱としてきたことはお伝えしましたが、コロナ禍を転換期としてリユース事業に本格的に参入しました。ブランド品を中心に不用となったモノを買い取って、必要とされているところにお届けするという、我々にとっては全く新しいチャレンジングな事業です。
今のところ、地域は目黒区限定ですが、2022年には埼玉や千葉などに支店を出す計画です。
こちらの事業のドメインは社会貢献です。最近はSDGsが言われますが、弊社は長らく、企業としてどのように社会と関わってゆくかを考えてきました。そこに原点があります。ただそれはボランティア的な発想ではなく、いかにしたら事業として成立し、社会も弊社もhappyになれるかを考えてきました。そうした中、コロナ禍で大量の不用品が「断捨離」されることを知り、改めてリユース事業にビジネスチャンスを見出した次第です。
コロナ禍はきっかけに過ぎませんが、企業として人や社会のhappyにどのように貢献できるかを深く考える時間を与えてくれました。ニーズを探り、「デジタル事業とは全く異なる多角化へと踏み出す準備ができた」と言っても過言ではありません。おかげさまで今はいい流れが来ています。新たな事業の柱として、このビル内(3階)に新しくテレアポ部隊のオフィスも設けました。今年は更なる事業の拡張を成し遂げて、『カンブリア宮殿』に出演することを本気で目指しています(笑)。